
法師温泉 長寿館は、群馬県と新潟県の県境三国峠(みくにとうげ)のふもとにある、与謝野晶子や川端康成などの文人も多く訪れた老舗の一軒宿です。
関越自動車道 月夜野ICから国道17号を通って車で25kmの長寿館までの曲がりくねった峠道は、辺り一面が山々に囲まれ見ごたえある景色。
とりわけ、夕方宿を訪れる頃には、辺り一面は暗くなり、とある映画の世界に迷い込んだよう。
宿に近づくにつれて見えてくる灯りは、とても幻想的な姿を見せます。
今回は、歴史ある温泉や客室を持つ、老舗の一軒宿 法師温泉 長寿館にお伺いしてきました。
長寿館の玄関や囲炉裏、著名人がお泊りになった客室、温泉、宿の方からのメッセージなど載せておりますので、ぜひ、お読みください。
目次
法師温泉 長寿館とは?
法師温泉 長寿館は、全館木造の建物が特徴で、江戸時代の旅籠(はたご)の面影を残す明治8年に建てられた本館、昭和15年に建てられた別館、昭和53年に建てられた木造2階建ての薫山荘(くんざんそう)平成元年に建てられた法隆殿があり、本館と別館は、国の登録有形文化財に指定されています。
また、温泉は、明治28年に建設された鹿鳴館風の建物が特徴的な法師乃湯、総檜作りの玉城乃湯、長寿乃湯があります。
法師乃湯と長寿乃湯は、足元から源泉が湧き出る温泉で、弘法大師 空海が発見したと伝えられています。
ご宿泊料は、お一人当たり、15,000円~30,000円(税別)。
また、立ち寄り入浴と昼食休憩も可能で、法師乃湯、長寿乃湯と昼食のセットで2,364円~5,000円(税別)でお楽しみいただけます。
ぐんまちゃんパスポートを利用すると、1泊につきスタンプ2個取得(平日はさらに+1個)できます。
複数泊の場合は、泊数分のスタンプを取得できます。
スタンプ取得の際は、宿泊施設の方にお声掛けいただき、専用のタグプレート(QRコード)を読み取って下さい。
長寿館の玄関と囲炉裏
まずは、法師温泉 長寿館の玄関と囲炉裏をご紹介します。
【玄関】
たたき(=靴を脱ぐところ)を上がると、まず目に飛び込んでくるのが、雰囲気のある吹き抜けの玄関です。
河東 碧梧桐(かわひがし へきごとう)など明治の歌人たちの書額や大きな高崎だるまが飾られています。
まずはこちらの玄関でごゆっくりと。ここから、長寿館での休暇が始まります。
ちなみに、玄関には、ご利用されたお客様から送られてきた自作の椅子なども置かれているそうです。
【法師の囲炉裏】
玄関のすぐ左手にある、長寿館 触れ合いの場所、法師の囲炉裏。
小気味よく薪が「パチッ!パチッ!」と燃え上がる音に、お客様が自然と集まり、気づけばお茶を飲みながら、知らないお客様同士が会話に花を咲かせているなんてことも、珍しくないのだとか。
(写真左:玄関 / 写真右:法師の囲炉裏)
たくさんの著名人がお泊りになった客室
次に、客室をいくつか、ご紹介します。
【国有形文化財・本館】
明治8年に建てられた長寿館で一番古い、国登録有形文化財指定の客室棟。
文人墨客が泊った当時の面影を大切に残し、全室トイレなしの作りとなっています。
(本館/18番)
川端康成が泊ったお部屋です。
日の光を浴びると、部屋の印象が変わるから不思議。
味わいがあり、落ち着いた雰囲気です。
(本館/20番)
昭和6年に与謝野晶子が泊まったお部屋。
かなり広い作りとなっています。
【国有形文化財・別館】
法師川沿いに昭和15年に建てられた、国登録有形文化財指定の客室棟。
本館や法師乃湯を望めるお部屋、中庭を望めるお部屋があり、全室トイレ付きです。
(別館2番)
映画「テルマエ・ロマエⅡ」の撮影で、俳優の阿部寛さんもお泊りになったお部屋です。
三国峠の上に向かって連なる針葉樹と落葉樹のコラボレーションは、見ているだけで心が落ち着き、癒されます。
ちなみに、従業員の方もこの部屋からの眺めが一番好きなのだとか。
【薫山荘】
薫山荘は、全室法師川を眺めることができる木造2階建ての昭和53年に建てられた客室棟です。
(薫山荘/ 34番)
国鉄時代のフルムーンポスターの撮影で、往年の大女優・高峰三枝子さんもお泊りになったお部屋です。
自分が宿泊した隣の部屋に大女優が泊っていることを想像したら、ドキドキしてしまいますね。
法師川の水の音を聞きながら紅葉を眺められるだけで、大満足です。
(薫山荘/ 31番)
薫山荘31番は、数々の映画やドラマで活躍した、女優・夏目雅子さんも愛した一階の角部屋です。
澄み切った法師川の流れと眺めのよいこの部屋で、夏目さんはどんなことを思い、過ごしたのでしょう。
【法隆殿】
平成元年に建てかえられた、木造2階の客室棟です。
8畳+4.5畳+踏込みで、4.5畳には掘りごたつが設置されています。
(法隆殿/やしお)
スウェーデンのヴィクトリア皇太子がお泊りになった、和と洋がほどよく調和したお部屋です。
かなり広い作りとなっていて、ご家族や団体様での宿泊になると、ちょうど良い広さです。
外国の方も多く宿泊されていますが、こたつは人気とのこと。
温泉をゆったりと楽しみましょう!
法師温泉 長寿館といえば、温泉。
3つの温泉をご紹介します。
【法師乃湯】
鹿鳴館風の建物が特徴的な法師乃湯は、明治28年に建設された混浴風呂です。
近年では希少な自然湧出の温泉で、豊富なお湯が浴槽の底から湧き出してきます。
40℃前後で、熱すぎず、心地良い温度の為、長くゆっくり浸かれるのが魅力。
胃腸、動脈硬化、火傷などの症状に効果があります。
お湯を触ると、柔らかい手触りです。
【長寿乃湯】
法師川沿いにひっそりとたたずむ、杉皮の屋根が印象的な長寿乃湯です。
日本天然温泉審査機構から満点の評価も得ています。
こちらも法師乃湯と同じく、自然湧出。
今まで女性専用でしたが、時間帯によっては男性にも開放しているとのことです。
【玉城乃湯】
総檜造りで、非常に開放感のある玉城乃湯です。
源泉は、異なるところから引いており、内湯と露天風呂に分かれています。
この露天風呂の周りの木々が紅葉すると、冬が近づいていることが分かるそうです。
お食事&お酒
法師温泉 長寿館は、お食事やお酒も充実しています。
長寿館のお食事は、地元の食材にこだわっており、それらを使用したステーキやすき焼き、イワナの燻製などがおすすめです。
また、お酒は、日本酒好きの社長の好みを反映してか、銘酒が揃っているとのこと。
群馬県の全国新酒品評会で金賞を受賞した土田酒造の「秋月(しゅうげつ)純米吟醸」を使用しています。
お客様へのメッセージ
今回の取材でご協力いただいた、法師温泉 長寿館 帳場主任 高野邦茂さんから、長寿館をご利用される方へのメッセージをいただきました。

「温泉を楽しんでいただける場所を提供し、温泉文化を脈々と受け継いでいくのが、先代からの教えであり、私たち法師温泉 長寿館の仕事です。
時代ごとに変化はあるかもしれませんが、その伝統を守り続け、お客様には、純粋に温泉を楽しんでいただきたい、温泉に入り体を癒してもらいたい、というのが当館の願い。
法師温泉 長寿館で、「こんな温泉の入り方があるのか」「昔の建物はこんな様子だったんだ」という所を味わっていただければ幸いです。
私たちは、いつまでも変わらないスタイルで、純粋に温泉を楽しみたいあなたをお待ちしています。
ぜひ、法師温泉 長寿館にお越しください。」
まとめ
法師温泉 長寿館について取材してきました。
担当の高野さんにお話しを伺っていると、明るい口調ながら、この宿の伝統をいつまでも守り抜こうという気概を感じました。
春は新緑、夏は避暑地、秋は紅葉、冬は雪景色、と季節ごとの変化を楽しめる一軒宿、長寿館。
そこは、余計なものを脱ぎ捨てて、本当の自分に戻れる場所です。
法師温泉 長寿館で、本物の休暇を味わいに来ませんか?
施設情報
■所在地 : 〒379-1401 群馬県利根郡みなかみ町永井650 電話番号・FAX: 電話 0278-66-0005(代) FAX 0278-66-0003 |
■営業時間 チェックイン:15:00チェックアウト:10:30 |
■立ち寄り入浴
入浴料:1000円
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■アクセス情報
お車でお越しの方 |
■HP:http://www.hoshi-onsen.com/index.html |
ぐんまちゃんパスポート情報
法師温泉 長寿館では、ぐんまちゃんパスポートの利用で1泊につきスタンプを2個獲得できます。
パスポートステージ | 内容 |
1stステージ(みどり) 2ndステージ(あか) 3rd ステージ(こげちゃ) |
ぐんまちゃんパスポートの特典を利用すると、1泊につきスタンプ2個取得(平日はさらに+1個)できます。 複数泊の場合は泊数分スタンプ取得できます。 スタンプ取得の際は、宿泊施設の方にお声掛けいただき、専用のタグプレート(QRコード)を読み取ってください |